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今日から出勤しない

初の「今日から出勤しなくていい日」がやってきました。ついついうっかりして、新しい職場となる自室で朝7時から働いてしまいました。

ケータイ向けサービスの開発会社に5年間勤めて、今日から自営業を本格的に稼働させています。おそらく年内はこんなかたちで主に自宅で働いていくことになります。が、自営業を続けるつもりは毛頭ございません。パートナーとして現在仕事をもらっている人たちと何らかのかたちで(って法人化する以外ないんですが)起業することになります。

それにあたって、あんまり大きなことばかり考えても仕方がないので、2つだけ目標を作りました。ひとつは、「長く続けられる仕事をする」です。退職金があるわけでもなく、とにかく世間でいうところの定年まではローンもあるので仕事を続けていかなくてはいけません。そこで、「長く続けられる仕事」というものを深く深く分析して、やがてひとつの結論に至りました。ここで特別にみなさんにもお裾分けします。すなわち:

「長く続けられる仕事」 = 「ゆとりのある暮らしができるだけの収入」 + 「働きやすい環境」

「真面目に考えろ!」と怒るだろうな、という顔がいくつか思い浮かびます。でも、これはとても真面目な考察です。そう見えないなら、騙されたと思ってください。思ったところで何も変わりませんが。それでも説明しますと、会社を辞めてしまえば、業務に関わるいろいろなことを自分でコントロールする必要があります。何に投資してどれくらいの仕事をしていくのか、匙加減を間違えるとたちまち仕事や生活は破綻してしまいます。とはいえ、手元の資金はほとんどない状態なわけですから、最初から選択肢は限られています。なので、どれを取ったら最適なのかを判断すればいいだけのことです。そして、その判断の基準となるものが、上に挙げた非常に難解かつ禅問答的な公式なのです。

収入に関していえば、最低でも税金や生活費、ローンの支払いが終わっても貯金できるくらいの金額である必要があります。サラリーマンの年収の平均である533万円、可処分所得の中央値である480万円程度は確保されるべきでしょう。この点には議論や妥協の余地はありません。また最低でも数ヶ月程度、それだけの収入の見込みがなければ、開業するべきではないでしょう。

働きやすい環境を定義すると、もちろん業務内容によってそれは大きく異なるわけですが、ウェブアプリケーション開発というかなり特殊な職種であれば、ジョエルテストの点数を満点にすることから始めるのがいいでしょう。WEB2.0的な物言いが嫌いな方は、そうですね、壁に飾る認定証が足りなくて夜も眠れないで暮らしているに違いないでしょうから、ソフトウェア品質技術者資格認定でも受験すればいいと思います。止めはしません。ひとつだけアドバイスするとしたら、そんなのを受験するくらいだったら、こんな駄文を読んでいる暇なんかないんじゃないでしょうか。

さて、ジョエルテストで12点取ればいいでしょう、と簡単に言いましたが、別にそれが簡単というわけではありません。第一、企業としてのインフラ整備が出来ていてはじめてジョエルテストでチェックする意味があるわけですから、チェックする前にやらなければいいけないことがたくさんあります。それに加えて、例えば、お金をかけずに、という条件がつくことがあります。

そうそう、ここらでもうひとつの目標を挙げておきます。それは

「小さな会社、投資家は無し」

です。これまでみてきたいろいろな会社で起きていた問題の大半が、その根本的な原因は、堅実なビジネスプランのかわりに絵空事の成長予測を据えて、出来もしない規模の拡大計画で無茶な案件をこなすのに体力を消耗し、みすみす機会を棒に振ってきたことによるものでした。成長しないという選択肢もあるわけですから、身の丈に合った仕事を長く続けられるよう、適正な規模であり続けるのも大事だと思います。ですから、しばらくはオフィスも持ちたくありません。設備投資は最小限にします。

というわけで、まず作業場である自宅にBフレッツのオプションとして固定IPアドレスを追加しました。ASAHIネットのサービスで月額840円でした。これでリモート開発の準備完了です。次にメインの開発言語はRubyにして、簡単な案件はRuby on Railsで構築することにしました。理由は、herokuが使えること。データセンタでラックを借りたりサーバやネットワーク機器の管理を続ける余裕はどこにもないので、どうしてもホスティング会社に頼る必要があります。herokuであれば開発時は無料のプラン、そのまま本番環境として運用する場合は規模に合わせて有料の適当なプランに変更、と状況に合わせて損の出ないやり方を選べます。Gitとの連携もあるので、Railsでの開発に最もストレスとなるデプロイの問題も特に気にする必要がありません。SSLの必要な案件でもない限り、herokuは有力な候補となるでしょう。もちろん、Railsだけで完結しない案件もあります。たいてい本番運用時の環境はクライアント様が用意したものになるので、そんなときは開発環境に自宅のマシンをサーバとして利用します。nginxのリバースプロキシで各環境を束ねてVMWare ESXiで複数のOSを起動していますが、ハードウェアはhpのProliant ML115 G5、よくオンラインストアで15,000円くらいで販売されているやつです。昨年購入したのですが、キャンペーン価格で12,000円でした。それにAMDのPhenom II(クアッドコアです)CPU、2TBのHDD、メモリは8GBと増設していって、合計で50,000円くらいかかりました。大きな買い物ですが、たぶんそこら辺のレンタルサーバよりは快適な環境です。吹っ飛ばしてしまっても仮想環境なのでまあ問題ないです。電気代も少々かかりますが、夏のエアコンほどではありません。それから、企業インフラとして欠かせないメールサーバやファイルサーバ、スケジュール管理はGoogle Appsを申し込んで無料で済ませてしまいました。運用管理のコストを考えると専用の環境を用意するなど問題外でした。可用性について問題視する向きもあるかもしれませんが、それでもたいていの自社管理のメールサーバよりマシなんじゃないかと思います。それからRedmineを導入して進捗の管理などに活用しています。

開発会社の体裁を整えるだけなら、そんなに投資額は要らないみたいですね。

不安がないかといえば、おおいにあります。余裕なんかどこにもありません。でも、そもそも勤めているときだって経済的には非常に苦しかったので、年収の平均額を考えればこのままでいるよりも失うものより得るものの方が大きいだろうという予測はありました。家計が赤字だったので、どうせ赤なら真っ赤になって、南の島で燃えて死ぬ、くらいの勢いもありました。でも、どうせ勢いでやるにしても、ちょっとくらい戦略があってもいいよね、と考えたのが上に書いたことです。今のところ、順調に仕事はもらえています。このまま、もう少ししたら福利厚生の部分を整えてきちんと法人化していきたいと思います。

Posted by on 9月 6, 2010 in life, Work

Comments

  • どろんじょ より:

    思い切ったね。私も真っ赤だよ。

  • y より:

    じゃあウェブデザインの仕事してくれ!

  • k より:

    練馬ではたらく社長さんの日記はこちらですか?

  • y より:

    練馬で働く、ってのはいいな。農作業みたいだが。

  • どろんじょ より:

    おぅ!するよ。おまけに一緒に変なApps作ってぼろもうけしちゃう?

  • y より:

    仕事はあるんだ。手が足りない。

    あと、ちょっと作ってみたいサービスがあるのであとでメールする。

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