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フリーランスになって1年が過ぎて その2・困ったこと

組織と個人では、絶対に個人が弱いです。それに、仕事を持って来てもらう立場にいると、仕事を供給する立場の人の方が強いです。そのため、例えば事前に説明されていないようなことが、無理強いされてこちらのタスクに組み込まれてしまうことがあります。

一番困るのが、下手な知識があるので細かい違いが分からず、結果的にゴリ押ししてしまうタイプ。

「そういえば、このサイトってスマートフォンで見られるよね?」
「ブラウザで表示することは可能だと思います」
「いや、それじゃ見にくいでしょ。プラグインでさっと対応できるよね?」

同じ魚だからと金魚の水槽でクマノミを飼おうとしてもダメなのと同じで、開発者なら誰でもこの「プラグインを入れるだけで解決」みたいなのが信用ならないと知っているかと思いますが、プログラムを書かない人にとっては、いくつかの似たような例を参考に、こんな結論に至ってしまうケースがあります。

その次に困るのが、ただゴリ押ししてくるタイプ。

「ここの画面に帳票管理機能が必要になったからよろしくお願いします」
「いやいや、無理ですよ。納期間近なのに。そもそも工数が違うんだから再見積りにしてください」
「ちょっと待って、そこは頑張ってくださいよ。こっちだって必死になって仕事とってきてるんですから」

仕事をまわす人は、仕事をもらう人より意見が優先されます。上の例はきっと誰かのミスで「帳票管理機」とやらが必要だったのが要件から漏れていたわけですが、会社と個人の争いになれば、こんな風にゴリ押しされたら個人の側はひとたまりもありません。たとえ相手に単純に騙されたんだとしても、なかなか強く言い出せないのです。

他にも、例えばお客様の都合でリリースが延期されたり、プロジェクトがなくなってしまうことがあります。そんなとき、蓄えがないと二ヶ月くらい収入がなくなります。最初の頃はこういうことが続いたため、かなり苦しい目に遭いました。

この手のトラブルを避けられない以上、フリーランスのソフトウェア開発者というのは非常に脆弱な地盤の上に立っていることになります。これは間違いありません。これは構造的な問題のような気がするのですが、それを是正する手段を持たない人にはどうしようもありません。でも、会社の経営だって、よく考えたらそういうものですよね。そういう意味では、個人というのは従業員ひとりだけの会社みたいなものです。そのかわり、経営者としてボンクラ社員をいじめて憂さ晴らししたり、給与カットで自主退職を狙ったり、いっそ思い切ってクビにして切り捨てて逃げようとしても、靴ひもを引っ張って空を飛ぼうとするかのような目に遭うだけですけどね。

Posted by on 10月 10, 2011 in life, Work

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