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My Bloody Valentine @新木場Studio Coast

MBV

というわけでマイブラを観てきた。来日情報を見落としていて発売時にはチケットを手に入れられなかったのだが、どいつもこいつも汚い根性を丸出しにしてダフ屋化しているヤフオクで、利益をぜんぜん乗せていない人が1枚だけ出品しているのが見つかったので即決で購入できた。どうもありがとうございました。ダフ屋を儲けさせるのは悪徳行為に加担することになるので皆さんやめましょうね。クソくらえという資本主義のブタは除きますが。

人がいっぱい

会場に着いてみるともう人、人、人でとんでもないことになっていた。入場しても1階のフロアまでたどり着けない。ちょうど同じ会場で以前PiLのライブを観たけれど、あのときもバーカウンターもグッズコーナーもひどい行列で、まあどうせLサイズまでしか売ってないだろうからと無視したんだけど、それでもなんだかんだいって頑張ればいつでも最前列に出られる感じだったから、その倍は軽く居たんじゃなかろうか。

会場がそんな状態なので定刻の30分くらい遅れてライブは始まった。20年ぶりくらいのご対面。50過ぎの女性に失礼かもしれないが、20年前からボンクラどもを虜にしていたブッチャーさんは今でもやっぱり可愛いかった。ライブが始まる前と終わったときはニコニコしていたが、最初にケヴィン・シールズと一言ずつ「ハロー」としゃべったっきり、全くしゃべらない。踊らない。というか動かない。ギターを弾いているか、マイクの前でお腹の辺りで手を合わせて立っているだけ。まるで、この人たちはなんでこんな音楽を聴いているのか理解できないといわんばかりの態度で、轟音の中ギターの倍音に混じってたまに声が聞こえてくる。素晴らしい。

ライブが始まると、想像していた以上の轟音が鳴り響く。身体が痛くなりそうな音量だ。たぶん客席に向けたスピーカーが大音量になっていて、ステージ上はそこまで音量は大きくないのかもしれないが、とにかくこの音なら入り口で耳栓を配っているのも納得できる。曲目は、元々20年前のアルバム2枚と最近出た1枚、その他数枚のEP(って今の人は理解できるんだろうか)しかないし、誰かのカバー曲をやったり観客をあおってロックしたりするようなバンドじゃないので、だいたいいつも知っている曲だけが演奏される安心な構成。「Soon」みたいな代表的な曲も割と中盤でさらっと演奏していた。ああ、ここはギターで音を出してここはシーケンサーなんだ、など確認できるのがよかった。しかし、新曲を演奏しようとして失敗し、これ今まで4回しか演奏したことないからと言い訳し、また失敗して、じゃあ6回目いきますーと珍しくケヴィン・シールズがマイクに向けてしゃべって「new you」を自作自演でヘビーローテーションしたり、「I Only Said」の途中でシーケンサーが止まってしまって、雰囲気が大事な曲なのに気まずい沈黙が流れた後にしれっとまたやり直したり、「Honey Power」で肝心のギターがとんでもなく調子っぱずれだったり、さすがシューゲイザー、ファンサービス皆無なのが非常によかった。

極めつけは、というか、これを期待して観に行ったのだが、「You Made Me Realize」の間奏だ。マイブラ以降のいろんな人たちを観て、「あーあ、マイブラならここで観客をぶっ千切って置いてけぼりノイズ演奏20分だろうになあ、軟弱だなあ、がっかりだなあ」などとさみしい思いをした人たちにはお待ちかね、本家本元による圧巻の観客置いてけぼりパフォーマンスが炸裂した。ステージ上では4人がずっとほぼ同じ音を出し続けているのに、音量があまりにも凄まじいので倍音が反響しまくった結果、鳴ってもいない音楽が次々と聞こえてくるという有様。20分ほどひたすら観る者の鼓膜を痛めつけた後、またダンダンダンッとあの印象的なイントロに戻ったときには、あれそういえばこれ間奏だっけと観客の方が驚いてしまう始末。その長い長い間奏の間も、ブッチャーさんはほとんど動かず、ワンコードをずっと弾いていたのがドSな感じでよかった。これなら大雪の日に渋滞に捕まってタクシーで出産したというのも納得だ。

というわけで、体力を使い果たしてアンコールも無しで終わったMBVのライブだったわけだが、行って損はなかったし、また聴けてよかったと思う。パティ・スミスに続いて青春時代の決算シリーズ第2弾、というほどでもないが、まあそんな感じだ。

追記:あ、マイブラもカバー曲を演奏することはあるよ。WireのMap Refはすごくいいですね。

Posted by on 2月 8, 2013 in Music

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