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専門学校の卒業式の祝辞

みなさん

今日は卒業式でしたね。おめでとうございます。
あいにく仕事で出席することはできませんでしたが、天気も良く、久しぶりに顔を合わせる人たちも居たでしょうから、きっと楽しい式になったと思います。後期からの短い期間でしたが、とても面白い経験をさせて頂きました。ありがとうございました。人に教えるというのは自分でも学んでみるいい機会であり、ついでにちょっとくらいはお金ももらえるので悪い話ではありません。

さて、これからみなさんが社会人として仕事をするようになると、学校や親が厳しいなんて思っていた過去の自分を蹴りたくなるくらい大変なことがたくさんあると思います。特にIT業界はその点では悪名高い存在です。みなさんの上司やお客様の大半は、みなさんの人間的成長や気高い自尊心、未知の可能性といった素晴らしいであろう面についてはおそらくほとんど何の関心もありません。会社という組織では、失敗は厳しく咎められる一方で、成功は体よく無視されるのはまだマシな方で、油断すると誰かに手柄を横取りされることも珍しくはありません。ほらね、おそらく学校やご家庭では、皆さんはもう少し優しく、失敗にも寛容に扱ってもらえたはずです。

でも心配することはありません。そんなものは人生のごく一部です。この世が面白くないと思えたり、これから先にもロクなことはないと感じられたら、それは自分の観測範囲が狭いからで、世の中にはまだ自分には見えていないところの方がずっと多いという事実を思い出してください。ちなみに、これは世間では想像力と呼ばれています。例えば、何も知らなかったときには冴えないリーマンとしか思えなかったような人が、実は尊敬すべき人間であることにある日突然気づいたり、逆にすごくイケてると思っていた人たちが実際にはどーしよーもないただのクズだとわかってしまうような体験がこれから先に何度もみなさんを待ち構えています。そうした瞬間に、今まで大きな問題であるかのように見えた事柄が、実は間抜けな水たまり程度のトラップでしかないことがわかることだってあるかもしれません。そんなタイミングを逃さないように、何度も繰り返して自分自身に定期的にアップグレード用パッチを適用し続けることを、世間では成長と呼んでいます。

いいプログラマーになるのには10年かかるように、たった半年足らずでは何も完璧に教えることなど出来やしませんが、少なくともそういった意味での成長や想像力を巡らせるためのヒントになりそうなことは、授業を通して少しくらいは伝えてきたつもりです。ぼくは正直なところみなさんがどこに就職するとかいう話には全く興味がありません。そんなことより、どんなことに関心を持って、どんなことに挑戦して、どんなことに反抗しているのかの方がよっぽど興味深いと思っています。だから、これから先、みなさんがいろいろなことを吸収しながら、世界中にアンテナを張り巡らせて、明るく楽しく局地戦を展開していく愉快で陽気で歌が大好きなゲリラ部隊のように逞しく生きていくことだけを期待しています。

Posted by on 3月 7, 2013 in Education

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