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スカウティングメールに返信した

エクストリーム・ヘッドハンターズ株式会社*1 ○○様

はじめまして。八木と申します。LinkedInからのアクセスでしょうか。

ご紹介いただいております案件ですが、正直なところを申し上げれば残念ながら特に技術的な興味を引く内容ではありませんでした。申し訳ございません。

それだけでは何なので、僭越ながら、私が職業について個人的に重視する項目についてざっとご説明申し上げたいと思います。お忙しい中、大変恐縮ではございますが、ご関心があればお読み頂ければ幸いです。*2

■作業環境

開発の効率化をお題目に挙げている開発会社はいくらでもありますが、実際に効力のある手段を実現しているところはそう多くはありません。n個の「K」で始まる問題を抱える職業なりに、多くの企業がこの点を問題として会議の議題にしていることは間違いありません。

しかし、実際には、この問題の答えは非常に明確かつ単純であり、やる気になればそう難しいことではありません。

それが無料の食事や飲料の提供ではないこともいうまでもありません。

私が考えるもっとも効果的な生産効率向上手段は、静かなオフィスです。冗談のように思われるかもしれませんが、これまで経験した中でこれ以上に効果的な手段はありませんでした。もちろん、手旗信号の方がまだましなひどいネットワーク環境や停電続きの建物などは論外ですが、営業の電話がひっきりなしに鳴り続け、コーディング中のプログラマが管理者たちのこれ見よがしな自慢話にイヤホンで抵抗するような作業環境では、どんなプログラミング言語もツールも役に立ちません。

さらに驚くべきことに、ソフトウェア開発の現場について上のようなことが指摘されたのはかれこれ20年以上も前のことです。

しかし、現実には、何人もの管理者が寄り集まって(私も時折その中の一人であるわけですが)、開発ツールをEclipseにするべきか、言語をJavaにするべきか、などなど愚にもつかない議論を繰り返すばかりで、プログラマはせめてオフィスが静かになる夜にようやく落ち着いて作業に取りかかっているといった具合の開発会社は枚挙に暇がありません。

私が転職するとすれば、そこが静かで集中できる職場であることが必須条件です。

■組織

日常生活においては人間同士のつながり、付き合いは引き起こされるストレスと密接な関係にあり、非常に重要なものですが、キャリアとしての仕事を考えれば、やはり企業は人よりもまず組織が重要です。

社内である程度の技術力を発揮して認められたプログラマが、よき友人たちに囲まれて、給与も上がり(残業代はなくなり)、そしてひどい作業環境で悪戦苦闘する哀れな若いプログラマたちの管理を任され、そんな状況なので不具合は浜の真砂の如く尽きることはなく、メールの返信の手を休めることなく障害報告書をクライアントに送り続けるようになるだけのキャリアパスしか用意されていない企業で失われた若さを嘆くのも人生ですが、ソフトウェア開発者の未来としてみればそれが魅力的な人生であるかどうかは意見の分かれるところです。

ある職が用意されているとして、それはキャリアにどのような意味を持つものなのか、組織がどのようにそれを定義しているのかが重要なことだと私は思っています。

■その他

さて、上段に構えてえらそうなことを書き連ねましたが、ウェブ開発におけるキャリアとして面白そうな職場があれば興味があるのは確かです。面白い仕事があれば是非お話をお伺いすることができればと思います。

では、よい週末を。

*1 もちろん、実在の会社名ではない。

*2 もちろん、実際にこの内容で返事を書いたが、その後の返信はなかった。

Posted by on 2月 13, 2009 in life, Work

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